活用事例

立命館中学校女子バスケットボール部

このBUKATSUアンケートは4観点すべてを定量的に捉えて数値化できるだけでなく、4観点のバランスも把握でき、教育効果が非常に高いと思い実施しました。

なぜBUKATSUアンケートを実施しようと思いましたか?その理由を教えてください。

大阪教師塾で「BUKATSU」について教えていただき、部活動のあるべき姿について深く考えるようになりました。それまでは、数値で出るものは「○○大会で優勝する」など競技の結果だけでした。何とかして成長の過程が分かるように、シュート成功率やリバウンド数、スチール、ターンオーバーの数など細かくデータを取るようにしましたが、競技に関する専門的なものばかりで「心の成長」については感覚的なものでしかありませんでした。(原田メソッドの中の)長期目的目標設定用紙に書く4観点も、【有形】のところは定量的に書ける(数値化できる)のですが、【無形】のところは定性的になって(抽象的になって)いました。しかし、このBUKATSUアンケートは4観点すべてを定量的に捉えて数値化できるだけでなく、4観点のバランスも把握でき、教育効果が非常に高いと思い実施しました。

評価観点 評価観点

アンケート結果をその後の部活動運営・指導にどのようにいかしたのか具体的行動を教えてください。

10項目のバランスチャート

10項目のバランスチャートの結果を見ると、2年生も1年生も同じ形をしていました。 これは、まさに私の指導の「クセ」なのです。しかも低い数値を示していたのは、私自身が特に意識をして指導していた項目(集団への貢献、有用な人物像)でした。結果を見てショックでしたし、生徒の様子を見ても頑張っているように思えました。ただ、私が口を開くと「もっと○○しなさい」という小言が一番多いのがそれらの項目でした。私自身が高い要求をしていたために、生徒が頑張ってやっていてもプラスの評価を与えていなかったことに気付きました。まだ軸のできていない生徒には、自分たちの行動について評価されたことがそのまま自己評価につながっているのだと感じました。それ以降は評価基準を決め、○か×かを明確にするように心がけました。

適応感アセスメント

2年生は良好群100%に対し、1年生は良好群73%でした。私自身が、「今の指導を続けていけば2年生になれば100%になる」という自信を持つことができました。また1年生で良好群に入っていなかった生徒には、面談をしたり、声を掛けたりする回数を増やしました。この状態は感覚的に掴んでいた状況とだいたい同じで、「気のせいかな」と思ったり、「もう少し様子を見よう」と見送ったりしていたものがアンケート結果として表われたので、「すぐに実行しよう」と後押しをしてもらえました。

チーム

チーム全体に対しては、結果をもとにチームの4観点作りを行い、模造紙にまとめて体育館に張り出しました。不足していることについてはチームで約束事を決め、ルーティンチェック表でチェックを行いました。

個人

個人の結果を見させて、「長期目的目標設定用紙」を書かせて自己分析に活かしました。

4観点はチームで作ったものをそのまま載せ、達成するためには個人として何が必要かを洗い出させました。ルーティンチェックは個人についても作成し、チームで決めたものと個人のものと両方行いました。

アンケート結果をその後の部活動運営・指導にどのようにいかしたのか具体的行動を教えてください。

10項目のバランスチャート

私の○×評価がより明確になり、生徒の質が向上しました。部活動以外でも貢献する気持ちが強くなり、まわりからプラスの言葉を多く聞くようになりました。生徒が言ったプラスの言葉を私から違う生徒に伝えることで、良いプラスの循環が生まれました。

適応感アセスメント

良好群73%だった当時の1年生は、2年生で100%になりました。上級生のモデルがあること、「誰にどのようなサポートが必要か」が明確になったことで集団を高めることができると分かりました。エビデンス(証拠、根拠)があるので指導者も生徒も自信を持つことができました。

チーム

体育館にチームの4観点を張り出したことで、「何のためにバスケットをするのか」をすぐに見返すことができて練習の質が高まりました。集合して話をするときは意識して模造紙が貼ってある場所で行い、書かれた言葉がより生きました。

ルーティンチェック表も、女子の特性があるかもしれませんが、帰属意識が高まり個人で行うよりも数倍の威力があったように思います。

個人

それぞれが書いた「長期目的目標設定用紙」は赤ペンで添削し、適切なストローク(褒め言葉)を与えました。生徒達はそれを見て号泣し、さらにやる気を高めていました。その用紙は、自分をディスカウントしそうな場面で生徒自らを支え、目標達成に向けて背中を押してくれたようです。用紙はその後も持ち続け、高校でも大切に持っている生徒もいます。

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